2021年度春学期 制御工学同演習 講義
【授業科目の内容】 制御工学で取り扱う制御対象は,ロボットのようなメカニカルシステム,電気電子システム,化学システム,建築構造物,航空機・人工衛星,バイオシステムなど,多岐に渡っています。なぜならば,ダイナミクス(動特性や動力学などと訳されます)をもつシステムであればすべて制御対象になり得るからです。そのため,工学システムだけでなく,ダイナミックな経済システムや社会システムなども制御工学の対象と考えることができます。このように,制御工学は,理工学や非工学のさまざまな分野と関係する横断的な学問分野であり,現代工学の基礎ともいえる重要な科目でもあります。本講義では,古典制御から現代制御の導入までにわたる制御工学の基礎について,平易に解説することを試みます。授業は週に2回,月曜日3限と金曜日2限に行われます。
【教科書】 足立修一:制御工学の基礎,東京電機大学出版局(2016)
- 力学系をフィードバック制御する(教科書 pp.1~15)
- 制御系設計とは,複素数とラプラス変換(教科書 pp.13~26)
- 制御で用いるラプラス変換の性質,LTIシステムの表現①(たたみ込み積分と伝達関数(教科書 pp.26~44)
- 伝達関数②(教科書 pp.44~66)
- 物理モデリングの例,周波数応答の原理(教科書 pp.66~79)
- ボード線図の描き方(教科書 pp.80~94)
- 2次系のボード線図,ボード線図とナイキスト線図(教科書 pp.95~106)
- 状態空間表現,フィードバック制御系1(教科書 pp.106~124, pp. 129~138)
- フィードバック制御系2,安定性1(教科書 pp.133~157)
- 安定性2,制御系の過渡特性1(教科書 pp.157~186)
- 制御系の過渡特性2,定常特性1,制御系設計仕様,制御系設計法(教科書 pp.182~202)
- 定常特性2,制御系設計仕様,制御系設計法(教科書 pp.202~221)
- 講義の振り返り,まとめ
- 定期試験