足立研セミナー: 制御系に埋め込まれた陰的制御則が適応機能の鍵を握る!?
- 講演者
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大須賀 公一 教授(大阪大学大学院 工学研究科 機械工学専攻)
- 講演日時
- 2010年4月27日(火) 13:00~14:30
- 講演場所
- 創想館2F 14-204 (セミナールーム4)
- 講演概要
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オーストラリア北部ノーザンテリトリー(ダーウィンが首府)には 高さ数mにもなる巨大な蟻塚群を構築するシロアリが数種類生息している. この蟻塚一山には数百万匹ものシロアリが住んでおり, 無数の役割分担された部屋が作られ,吸気や排気のための ネットワークも構成され,いわば一大都市国家が建設されていると言えよう.
あの小さなシロアリたちのどこにあのように巨大な構造物を設計し 建築する能力が備わっているのだろう. この種の問いかけは人類に古くから投げかけられてきた素朴な疑問である. 我々はこの謎を解くためにしばしば,シロアリを実験室に連れ帰り彼らの 脳を詳細に解析する.そして驚愕する. 「この小さな脳(微小脳)のどこにも蟻塚を建設するための設計図は 埋め込まれていない, しかも非常に能力の高いシロアリが少数いて彼らが全シロアリを 指揮しているようにも思えない.」と...実に不思議である.
一匹のシロアリの脳の中には蟻塚の設計図は描かれていないのに 彼らを蟻塚の場においてやるとあたかも役割を認識しているかのように 蟻塚の中の自分の役割を果たすように行動する. しかも,その行動は様々な環境の変化に対してもリアルタイムに 適応しているように見える. ところがそのシロアリを場から離すとそのような能力は消失してしまうように見える.
本講演では,このような基本的に素朴な疑問に対する解へ少しでも 近づこうと筆者らが最近考えていることを紹介したいと思う. そして,そこで考察することが現在の知能ロボットと呼ばれるロボットが 知能を持っているように見えない一つの理由ではないかという推察を行ってみる.
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