足立研セミナー: クープマン作用素による非線形力学系の解析と電力・エネルギーシステムへの応用
- 講演者
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薄 良彦 准教授(大阪府立大学 大学院工学研究科 電気・情報系専攻 電気情報システム工学分野)
- 講演日時
- 2016年5月30日(月)16:30~18:00
- 講演場所
- 創想館2階セミナールーム3(14-203)
- 講演概要
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クープマン作用素とは、非線形力学系の観測量(系の相空間上で定義されるスカラー関数であり、制御工学の言葉では出力関数に相当する)の時間発展を表す作用素である。非線形の微分あるいは差分方程式で記述される力学系に対して、クープマン作用素は無限次元であるものの線形となる。この性質を利用することにより、元の非線形力学系の解析や制御を線形作用素の観点から行うことが可能になる。現在までに、クープマン作用素のスペクトルに着目することで、線形システムに対するモード分解の一般化であるクープマンモード分解が提案され、流体、エネルギー、画像処理など、様々な分野での応用が進んでいる。本講演では、クープマン作用素に基づく非線形力学系の解析について、数学的厳密さにはあまりこだわらず「ユーザー」指向の解説を試みる。さらに、講演者のグループが取り組んできた電力・エネルギーシステムへの応用として、「電力システムの安定性診断」「ビル内アトリウムの熱解析」「洋上風力の平滑化評価」について時間の許す範囲で紹介する。なお、本講演の内容は、Igor Mezic教授(UC Santa Barbara)、Fredrik Raak氏、河野洋平氏、佐孝恭一氏、引原隆士教授(京都大)との共同研究である。
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