Laboratory Profile
2009年度 物理情報工学科 足立研究室
教職員 |
足立 修一 教授 (adachi[at]appi.keio.ac.jp), 斉藤 由美 秘書 |
研究室の場所 |
足立教員室(25-518),学生居室 [25-504 (学生居室), 25-522 (実験室)],
プロジェクトルーム(14-417) |
研究室の構成 |
博士3年 (1名),協定研究員 (1名),修士2年 (5名),修士1年 (5名),学部4年 (6名) の計18名 |
研究のキーワード |
システム制御理論,システム同定理論,システムバイオロジー,量子系の同定,産業応用(自動車,ロケット,ロボット,精密機器,医用工学など),制御教育 |
写真 |
|
研究室紹介
ポスター |
研究室配属説明会用,
学科分け説明会用 |
年報 |
2009年度理工学部年次報告 |
研究室について
慶應義塾大学足立研究室誕生から3年がたち,4年目に入りました。3名の学部生からスタートした足立研究室の学生数は18名に増えました。3名→8名→12名→18名と学生数がほぼ線形に増加していますが,そろそろ飽和するでしょう。今年度から創想館にプロジェクトルームを借りることができたので,再びゆったりとした環境のもとで研究に励むことができそうです。
研究室案内
足立研究室では「モデリングと制御 (modeling and control)」に関する研究を行っています。制御とは,対象のダイナミクス(動き,動特性,力学)を望みどおりにアクティブに変化させるもので,われわれの日常生活のさまざまな場面で制御は大活躍しています。たとえば,部屋の室温をエアコンで調節することも制御ですし,ロボットの中にも制御の考え方はたくさん入っています。また,最近の自動車は電子制御の力なしでは動くことができないでしょう。制御理論とは,日常生活で何気なく利用している制御の考え方を一般的に体系化した学問のことです。制御理論を適用するためには,対象のモデリングが必要不可欠であり,本研究室では実験データに基づいた有力なモデリング法であるシステム同定についても精力的に研究しています。
主な理論研究テーマを以下に列挙します。
- (1) システム同定理論と時系列解析
- ① モデルベースト制御のためのシステム同定に関する研究 (科研費基盤研究(C),2009~2011)
- ② プロセス制御のための実用的なシステム同定理論
- ③ 時系列解析を用いた異常診断/故障検出
- (2) 非線形・非ガウシアン最適フィルタリング理論(状態推定問題)
- ① 無香料カルマンフィルタ(Unscented Kalman filter : UKF)
- ② カルマンフィルタ理論の実用化検討
- (3) 制御系設計理論:モデル予測制御 (Model Predictive Control),ロバスト制御
さまざまな対象に対して制御理論を適用できますが,本研究室では以下に示すテーマを通して制御理論の研究を進めています。
- (1) 自動車(企業共同研究)
- ① ディーゼルエンジンのモデリングと制御
- ② 自動車車室内のアクティブノイズコントロール
- ③ リチウムイオン二次電池の状態推定
- ④ タイヤのモデリング
- (2) ロボット
- ① シリアル2リンク2慣性系のモデリング・状態推定・制御
- ② SICE DDアームによる倒立振子のビジュアルフィードバック制御
- ③ e-nuvo WHEEL を用いたモデリングと制御実験 ,制御実験教材の製作
- (3) ロケット航法系(企業共同研究)
- (4) 医用機器(たとえば,超音波診断装置)へのシステム同定の適用 (企業共同研究)
- (5) システムバイオロジーへのシステム同定の適用
(学外共同研究)
- (6) 量子系のシステム同定 (学内共同研究)
- (7) 精密機器のモデリングと制御 (企業共同研究)
企業との共同研究では最新の実験装置を用いて制御理論/システム同定理論の産業応用研究を行っています。また,学内外の著名な研究者との共同研究も積極的に行っています。
足立研セミナー
学内外から講師の先生をお招きして,最新の研究成果に関するセミナーを不定期に開催しています。制御理論の周辺分野の最新の動向を得ることができます。なお,このセミナーには参加自由です。参加希望者は事前に連絡してください。
博士課程に入学しませんか?
足立研究室では社会人ドクター(慶応では在職ドクターといいますが)や,他大学院からの博士課程進学者を積極的に受け入れています。もちろん慶応学内からの進学者も大歓迎です。ご興味のある方はぜひ足立までご連絡ください。