精密工学会 超精密位置決め専門委員会 9月定例会 「精密制御での CAE/Simulation の応用」 で講演を頼まれ,「プラントモデリングにおけるシステム同定の役割」という講演を行いました。
定例会は神楽坂にある東京理科大学 森戸記念館で行われ,90名近くの方が参加してくださいました。私のほかには,申鉄龍先生(上智大)など計4名が講演しました。
精密工学会でお話しさせていただいたのは初めてだったので勝手がわかりませんでしたが,これまで精密機器の制御では,機械的なメカニズムや構造を高精度化することによって,超精密位置決めを行ってきたそうです。しかし,今後一層の高精度化が必要になってきたとき,ダイナミクスを考慮したモデリングと制御の出番ではないかと私は思っています。精密工学の世界でも今後ますますモデルに基づく制御の役割が重要になっていくことを期待しています。その第一歩として,これまで制御のコミュニティと関係が少なかった精密工学会で講演させていただけたことを大変うれしく思います。
講演後,牛込神楽坂から地下鉄で西早稲田に移動し,早稲田大学理工学部で行われた SICE 「功績賞受賞者を囲みSICEの歴史と未来を語る夕べ」に出席しました。今年度 SICE 功績賞を受賞された山﨑弘郎先生(東大名誉教授)と示村悦二郎先生(早稲田大学名誉教授)の講演を聴講し,その後,懇親会に出席しました。お二人とも70代後半とは思えない若々しい見事なご講演で,現役研究者よりも元気があるのではないかと思われるくらいでした。
示村先生のご講演中に,明治維新前の 1854 年に日本にガバナ(調速器)が紹介されていたというお話が出てきました。ちょうど精密工学会での私の講演でも,ガバナが実際に動いている動画をお見せしてガバナのお話をしたところでした。さらに,計測自動制御学会50年史の表紙にもガバナがデザインされています。制御関係者はガバナが大好きです。