もう1冊「逆システム学」(金子(慶大経済教授)・児玉著,岩波新書)という本のなかで,土居洋文博士(生命情報科学者) の言葉を引用して,
『システム生物学ということが言われているが,今,我われに必要なのは,逆システム生物学だと思うんですよね。たくさんの常微分方程式を並べて計算するのではなく,群盲象をなでるということわざのように,多数のデータからシステムを想像しているのが現状でしょう』
という一節があります。
これは「データに基づいて現存する生命の持つ法則」を知りたい,ということだと思います。まさにわれわれが研究している,データから対象(この場合は生物)をシステム同定するという考え方と同じです。