10月3日から5日にクロアチア(Republika Hrvatska)のドゥブロヴニク(Dubrovnik)で開催された 2012 IEEE Multi-conference on Systems and Control (MSC 2012) についてD2の馬場が報告します。
足立研からはD2の馬場が,
A. Baba, S. Adachi: State of Charge Estimation of Lithium-ion Battery using Kalman Filters
について発表を行いました。また,このセッション,Automotive Application IIの座長も務めました。海外で発表するのもはじめて,学会でセッションの座長を務めるのもはじめてという状態でしたが,無事に終わらせることができました。
学会の行われたドゥブロヴニクという街は,世界遺産にも登録され「アドリア海の真珠」と謳われる美しい街並みを誇ります。宮崎駿監督の紅の豚や魔女の宅急便の舞台であると言ったほうがわかりやすい方も多いかもしれません。
この街は今ではクロアチアの都市ですが,二十数年前はユーゴスラビアという連邦国家の一部でした。ユーゴスラビアはバルカン半島の複雑な民族構成や宗教を体現した国家で,1991年のスロベニアとクロアチアの独立をきっかけに崩壊してしまいました。そのクロアチアの独立に際して,ユーゴスラビアを構成する他のセルビアやモンテネグロとの間で戦争状態になったのが,クロアチア紛争と呼ばれるものです。紛争の中でドゥブロヴニクは,ユーゴスラビア軍(セルビア・モンテネグロ軍)により,7ヶ月間も包囲され砲撃にさらされました。この攻撃で街は世界遺産の危機遺産リストにも挙げられるような大きな被害を受けましたが,住民たちの不断の努力により,1998年にはリストから外され,今では紛争前と変わらぬ美しい街並みが修復されています。
バルカン半島の複雑な歴史にも想いを馳せつつ,「アドリア海の真珠」を堪能した学会でした。