DSC01260 (1024x768) Control Theory and Dynamical Systems Seminar が 5月19日(月)14:30-17:30 に開かれ,井上正樹助教(物理情報工学科 足立研究室)と鈴木雅康助教(宇都宮大学 平田研究室)が講演します。

慶大足立研助教の井上さんと,10年前,宇大足立平田研だった,宇大平田研助教の鈴木さんのお二人が講演されること,なんだかうれしくなってしまいます。

詳細は以下のとおりです。

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日 時: 5月19日(月)14:30-17:30(講演×2、質疑応答含む)
場 所: 慶應義塾大学理工学部 矢上キャンパス 14棟313 ディスカッションスペース33

講演者1: 井上 正樹 氏(慶應義塾大学・理工学部・物理情報工学科)
タイトル: 制御理論と力学系理論におけるロバスト性について
Robustness in Control Theory and Dynamical Systems
アブストラクト:
本講演では,ロバスト制御理論について,どのように不確かな動的システムをモデル化するか,そして,どのようにそのモデルを制御するかといった基本的な考え方を紹介する.理論を如何に使うかといった実システムへの応用よりも,理論的な部分を中心に,力学系分野ではあまり馴染みのないと思われる動的システムの入出力の意味での安定性の定義から,ロバスト制御で重要な役割を持つスモールゲイン定理まで話をする.最後に,講演者らがFIRST合原最先端数理モデルプロジェクトで開発してきた理論で,ロバスト制御の考え方を分岐理論に取り込んだロバスト分岐理論についても紹介し,制御と力学系の融合研究について議論する.

講演者2: 鈴木 雅康 氏(宇都宮大学大学院・工学研究科)
タイトル: 入出力関係を用いたネットワーク系の構造同定について
アブストラクト:
大規模なネットワーク(NW)系の解析・制御への関心が高まる中,完全ないし部分的に未知であるNW構造を同定する手法の開発が求められており,すでに数々の手法が報告されてきた.しかし,それらの多くがすべてのノードの状態を操作または観測できるという条件の上に成り立っており,この仮定を緩和することは実現性や経済性を高める上で重要な課題の一つとなっている.本講演では,ノード数より少ないアクチュエータ/センサによるNW構造同定について,制御理論の立場からみた問題定式化とそれに対する提案手法を紹介する.特に,同定対象のNW系の入出力データのみから,構造に関する事前情報なくしてその構造を一意的に再構成することは不可能であることを示し,いかなる条件・情報を付加すれば再構成が可能となるかについて最近の研究を紹介しながら議論する.

問い合わせ先:高橋 博樹 専任講師 数理科学科 e-mail: hiroki [at] math.keio.ac.jp
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