「制御工学の基礎」の第4章のコラムです。


【4章のコラム】 ヘビサイド(Oliver Heaviside)(1850 ~ 1925)

ヘビサイドは英国の電気エンジニア,数学者であり,電気回路のホイートストンブリッジで有名なチャールズ・ホイートストンの甥にあたる。彼は,正規の大学教育を受けず,研究組織にも属することなく,独学で研究活動を行った。晩年,1905年にゲッティンゲン大学から名誉博士号を授与される。

1884年,彼は,当時20個の数式から構成されていたマックスウェル方程式を,現在使われている4つのベクトル形式の数式に変換した。

1880 ~ 87年の間に,線形微分方程式の演算子法である「ヘビサイドの演算子法」を発表,理論的な厳密さを欠いていたため,発表当時は世間から認められなかったが,後に数学者の Bromwich らによって完全な証明が与えられた。ヘビサイドの演算子法は,本章で学んだラプラス変換とほぼ同じものであった。

電気回路の分野では,彼はインピーダンスの概念を与え,またヘビサイドの階段関数を提案した。さらに,インダクタンスやコンダクタンスなどといった電気回路の技術用語を提案した。

このようにヘビサイドは,電磁気学,電気回路,そして制御工学など,われわれの分野における基礎を確立した人物の一人である。

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