「制御工学の基礎」の第10章のコラムです。
【10章のコラム】 ナイキスト(Harry Nyquist)(1889~1976)
ナイキストはスウェーデン生まれの物理学者で,1932年に出版された「帰還理論(Regeneration Theory)」という論文の中で周波数領域におけるフィードバック系の安定性を定義し,複素関数論のコーシーの結果を用いて,図的な安定判別用,すなわち,ナイキストの安定判別法を提案した。彼は1934年にボードらが所属していた AT&T のベル研に加わり,研究活動を行った。
ナイキストは,「サンプリング定理」の存在を 1928 年に予想し,1949年にクロード・シャノン(ベル研)と染谷 勲(日本電信電話公社)が独立に証明した。そのため,サンプリングの際に登場するナイキスト周波数にも彼の名前が残っている。