NASA の研究所の1つであるJPL(Jet Propulsion Laboratory)でのインターンについて,M2 の菊池惟子が報告いたします。
JPL とは,NASA の無人探査機等の研究開発及び運用に関わる研究所です.現在 JPL では来年の夏に打ち上げる予定の火星探査ローバ Mars2020 の開発と試験が行われている最中で,プロジェクトに関わっている研究者たちは24時間体制で働いているようです.NASA はアメリカの重要な国家機密を保持している機関でもあるため,通常はアメリカ市民でないと建物の中にも入ることができないので,非常に貴重な経験をさせて頂いています.
私は JPL のロボティクスグループの中の Extreme-Terrain Mobility Lab (極限環境を探査するロボットの研究開発を行う研究室)に所属しており,火星探査用ローバの長期的な経路計画手法について研究しています.現在のローバの運用は,地球上にいる人間が,ローバや衛星から送られる画像をもとに,短い間隔で目的地(way point)を定め,最終的な目的地まで到達するようにローバを操作しています.しかし将来的には,最終的な目的地だけを与えてローバが自律的に長期的な経路を生成し走行することが求められています.さらに,ローバの計算処理能力には限界があるので,計算負荷の小さい方法で実装すことも大きな課題です.
現在はインターンを1週間終えたばかりなので,これらの研究の関連研究を調べて,研究室のメンバーとブレインストーミングするためのディスカッションを重ねている段階ですが,2か月後のインターン終了時のプレゼンでは成果を報告できるよう,頑張ります.
JPL の中は非常に広く,未だによく迷子になりますが,お昼休みの時間には JPL 内を探検し,実際のローバやスカイクレーンの製造現場を見ることもできました.
またランチをする公園には鹿やリスも遊びに来ていて,とても楽しい環境で過ごしています.