古賀朱門君(UC San Diego)からうれしい報告が届きました。
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物情2014卒の古賀朱門です。
2020年5月15日,アメリカ PhD 課程最後の試練である Doctoral Defense を終え,UC San Diego の PhD(博士号)を取得しました。
2014年の9月に入学したので,計ほぼ6年。長い道のりだった。アメリカの PhD 課程は日本でいう 修士 + 博士 のセットで,卒業は年数で決まっていない。研究業績が認められ,博士論文が完成したらディフェンスの日程を決め,1時間ほど研究プレゼンをし,最後に審査する教授達5人の質問責めにあい,認められたら,晴れて PhD を取得し卒業する,という流れ。なので,卒業する時期も人によりまちまちで,平均 5~6 年かかると言われている。この年はご時世に則り,zoom での virtual defense となった。初めての遠隔プレゼンもあり緊張したが,なんとかやりきった。
在学中,様々な経験ができて,大変なこともたくさんあったけど,それ以上に本当に楽しかった。学会には10回ほど、アメリカ国内やオーストラリア,フランスなどに行き,発表した。学外活動ではレンセラー工科大で訪問研究し,NASA ジェット推進研究所と三菱電機研究所でインターンをした。光栄なことに,アメリカ制御学会(ACC)で最優秀論文賞を,また UC San Diego の制御分野における最優秀博士論文賞を受賞した。
また,博士論文を拡張したものが,私の指導教員(Miroslav Krstic)と共著の書籍として出版されました。Springer (旧Birkhauser)からの出版です。Amazon や世界中の書店で扱われており,胸が高鳴ります。電池に関する研究が一章入っており,足立先生の著書「バッテリマネジメント工学」を参考にさせていただきました。Kindle の無料サンプルもあるので,良ければご一読ください。
現在は UC San Diego の別の研究室でポスドクをしています。これまでは偏微分方程式の制御理論をやってましたが,分野を変え,ポスドク先では機械学習とロボティクスを扱っています。アルゴリズム開発とハードウェアでの実装をする実践的な研究室で,先生も若いので,新しい環境での挑戦です。
そういう経緯で,私はまだサンディエゴにて研究をしています。サンディエゴは非常に天気の良い街で,週末はサーフィンやゴルフなどしていました(現在はコロナ下で安心できないですが)。また近況など、報告していきたいと思います。