私の本の初代編集者で現在は専修大教授の植村八潮さん(元 東京電機大学出版局 局長)と一緒に,北千住(足立区)の東京電機大学出版局を初めて訪問しました。
植村さんの次の私の担当編集者は坂元さん,そして3代目は吉田拓歩さん(現 東京電機大学出版局 局長)です。今日は私の本の歴代編集者3名とお会いすることができました。
9/1付で電大出版局に入局された稲田さんともお会いしました。彼は前職の印刷会社で私の MATLAB シリーズを担当されたとのことでした。さらに,偶然,『制御工学のこころ』の表紙デザインをしてくださった齋藤さんともお会いすることできました。
いずれの方も私とご縁の深い方ばかりでした。
東京電機大学出版局は5号館の12階にあり,非常に眺めの良いところでした。目の前に東京スカイツリーが見え,さまざまな鉄道(JR 常磐線,地下鉄千代田線,東武スカイツリー線,つくばエクスブレス,そして京成線)を見ることもできます。鉄道ファンにはたまらない場所でしょう。また,この大学ではしばしばテレビドラマなどのロケーションが行われているようで,ちょっと前も有名な俳優さんたちが12階のフロアを歩いていたそうです。大昔はこの大学のそばで金八先生のロケーションも行われていたそうです。そのころ東京電機大学は北千住には存在していませんでしたが,
大学構内を見学した後,この春,東京電機大学出版局局長に就任した吉田さんのお祝い会を,ディープな街である北千住で開き,みなさんと昔話をしたり,出版界の現状についてもいろいろ教えていただきました。なお,今年は千住宿開宿400年という節目の年だそうです。
植村さんと1996年に『MATLAB による制御のためのシステム同定』という本を発行したのが,電大出版とのおつきあいの始まりでした。当時のサイバネットシステムの MATLAB 担当者と植村さんが宇都宮大学まで来ていただいたことを覚えています。約30年前のことです。植村さんとお会いしたのは私の還暦パーティ(2017年)以来でしたが,まったくお変わりがなく,たくさんおしゃべりしました。
たとえば,自分の食べ物を他人に分けると,自分が食べられる量は半分になってしまいます。10人に分けたら 1/10に減ってしまいます。このように通常のモノは分け与えるとどんどん減っていきます。しかし,知識を他人に分けると,その知識は減ることはなく2人で共有するので2倍になります。10人に知識を分け与えたら,その知識は10倍に増えていきます。モノと知識との決定的な違いがここにあります。このような知識を分け与える媒介物が「書物」であり,それを行う行為が「教育」なのです。私がたくさん本を書き,講義する理由はまさにこれなのです。私一人で知識を所有するのはもったいないというのが,私が本を書く動機です。
このようなお話しを久しぶりに植村さんとすることができました。
まだまだ本を書いて,出版していこうと考えています。これからも東京電機大学出版局のみなさん,よろしくお願いします。
奇しくも7年前の2018年9月3日に,私は当時,神田錦町にあった移転直前の東京電機大学出版局を訪れていました。