宇都宮大学足立研 OB の佐野 久さんからオハイオ通信 [6] が届きました。
佐野さんは宇都宮大学足立研の学位取得第1号で(1996 年に社会人ドクターコースで博士(工学)取得),現在は Honda R&D Americas の Division Director / Chief Engineer として Research のまとめ役をされています。
なお,昨日,慶大理工75周年記念式典でご挨拶していただいた早稲田大学理工学術院長の山川 宏教授(構造制御と振動工学などがご専門)は,佐野さんの早稲田大学時代の恩師です。
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5月29日(木)から6月1日(日)までの4日間,ここ Ohio 州 Dublin にある Muirfield Golf Club で毎年恒例のMemorial Tournament が開催されました。
そして,日本の若い松山英樹選手(22歳)が見事に初優勝を飾りました。
松山英樹選手,本当にすばらしい活躍でした。優勝おめでとうございます。
最終日は本当に感動させてもらいました。
私は金曜日の午後から半休をとり,二日半松山選手を追いかけて応援しました。土日は多くの駐在員が家族連れで応援に駆けつけていました。松山選手の優勝までの道のりは決して平坦ではなく,山谷がありました。以下に最終日の15番ホール以降の記憶をたどってみます。今も鮮明に思い出します。
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松山が優勝争いをしている相手はアメリカの Bubba Watson(ババと発音)。タイガーウッズが故障で欠場の中,マスターズで2回優勝を果たしている Bubba はアメリカ人観客の一番人気。
松山は14番ホール終了時点で14アンダーの Bubba Watson とタイ。そして松山が15番ホールでとうとうバーティを奪う,15アンダーで単独首位。残り3ホール,このまま順調に行けば松山が優勝だ。見てるこちらがわくわくする。
ところが16番ホールの池越え200ヤードのショートホールでまさかの池ポチャ。ダブルボギー。続く17番ホールもボギーで12アンダー。あー,これで終わったか,Bubbaの優勝か,と思った。でもスコアボートを確認すると Bubba が12アンダーだ。Bubba もトラブルがあった模様。ゴルフは何があるかわからない。Top はすでにプレーを終えているアメリカの Kevin Na の13アンダー。もし18番ホールで松山がバーディをとれば Play off。これはまだチャンス有り。
そして18番ホール,松山がグリーンを狙って2打目を打つ。観客の目はボールの行方に釘付け。グリーンにボールが落ちるポトン,という音。そのボールは実に見事にピンそば。ウォーという大歓声が沸きあがる。
松山がペアを組んでいる相手はオーストラリアの Adam Scott。現在ワールドランキングナンバー1。彼のポロシャツはユニクロで,胸にはベンツのロゴとユニクロのロゴが入っていて知っている人も多いと思う。しかし,優勝争いからははずれたため,超有名な Adam Scott よりも観客は皆松山を注目している。
松山がパターの構えに入る。すると大歓声がスーッと引いて,見事なまでに静粛になる。ボールはカップをとらえ,本当にバーディを決める。静粛から突然大歓声へ。首位タイ。すごいぞ,松山。
休憩もなくただちに Play off の開始。勝負が決まるまで Sudden Death。もう1回18番ホール。Kevin の1打目は池ポチャ。松山の1打目もバンカー。Kevin の3打目はグリーン右にそれる。それでも4打目のアプローチはピンの近くに寄せるところはさすが。
松山の2打目,グリーンの左にそれて観客の女性の足に当たって,グリーン横のラフで止まる。これはラッキー。
3打目をロブショットでグリーンオン。でもカップからの距離は 2m 以上あった。しかも下りのライン。Kevin のボールより遠い。もし松山がこのロングパットを決めることができればパーで優勝だ。先ほどと同様,大きな歓声も松山がパターの構えに入ると急に静寂になる。見ているこちらの方が緊張する。そしてパター。ゆっくりボールが転がり見事カップへ。
すごい,本当に優勝決定だ。アメリカではあるけれども,おめでとう,と叫んだ。
本当に良いプレーを見させてもらいました。感動を与えてくれた松山選手に感謝です。
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写真は クラブハウスへ戻る JackNicklaus と松山選手,そして,Jack Nicklaus から表彰されいてる松山選手。
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私(足立)はゴルフをしませんが,なぜかいま足立研ではゴルフクラブの研究もしています。