慶大大学院春学期の「モデルベースト制御理論」の講義(全13回)が今日,終了しました。

大学院の講義は隔年担当で来年度は担当しないため,今日が慶大現役教授としての大学院最終講義でした。

授業は火曜日2限にすべてzoomでオンラインで行いました。毎回の授業はクラウド録画してあり,受講生にはいつでもオンデマンドで閲覧できます。

受講生は60数名で,ほぼ全員が毎回の授業に出席してくれました。いまの時代,強要できませんが,受講生にはビデオオンでの出席をお願いしました。その結果,多いときには40名以上,ふつうでも30名くらいの人がビデオオンで受講してくれました。そのため,受講生の顔や手の動きを見て講義を進めることができました。受講生が熱心に受講してくれたおかげで,この授業にはいつも以上に力を入れました。

毎回,演習問題を出題して,基本的に当日に提出してもらい,その日のうちに採点して,受講生に返却しました。このようなことをシステマティックに行えたのは,Cnavas LMS が今年度から利用できるようになったおかげです。昨年度は,わけもわからずオンライン授業に突入しましたが,今年度はオンライン授業の利点を十分に活かせるような授業を行うことができました。演習問題では,ちょっと難しい計算問題や,日本語での理系作文問題(手書きで提出)など,研究室活動の延長のようなことが実現できました。楽勝の大学院科目とは違い,負荷が高かったので,受講生は大変だったと思います。

受講生の受講姿勢と教員の熱量,そして,適正な数の受講生などの条件がそろえば,対面授業でなくオンライン授業でも,かなりのことができると思えてきました。大学院の授業だからできたのかもしれません。

授業の目的は「カルマンフィルタ」の理解にありますが,そのための前提知識として「確率過程」と「線形代数」の復習を重点的に行いました。ちょっとそれらに力を入れすぎたので,シラバス通りに進むことができなかったことが反省材料です。

大学院最後の講義に,素晴らしい受講生60名に恵まれたことを幸運だと思います。長年,大学院で講義をしてきましたが,おそらく今年度がベストな授業だったような気がします。最後になってようやくベストな授業ができるとは,なんとも自分の能力の低さを感じてしまいます。楽観的に解釈すれば,まだ伸びしろがあるのかもしれません。

今日の授業の最後に,受講生に無理を言って私が大好きな「集合写真」を撮らせてもらいました。41名の学生と一緒に写真を撮ることができました。

受講生のみなさんの今後の大活躍を楽しみにしています。