物理情報工学科3年生秋学期(第三学期)選択科目「モデリングと制御」の講義が今日から始まりました。

3年ぶりの矢上での対面授業です。

この授業は「モデリングと同定法」という科目名で,前任者の富田豊教授が担当されていたものです。富田先生が生命情報へ異動されたため,その科目を2001年から,当時宇都宮大学に所属していた私が非常勤講師として担当しました。10月と11月の土曜日の2~4限に集中講義していたため,その授業を取る学生は,向学心あふれる優秀な学生か,単位が足りない学生かに二極化していました。受講生が30名程度の平和な授業でした。いま思い出すと,初年度は,当時物情に助手として在籍されていたTさん(現在はインペリアルカレッジロンドンで大活躍中)が私の授業に付き合ってくれたような気がします。

2006年に,私が慶大物情に異動してからは,授業科目名を「モデリングと制御」に変更して,現在まで続いています。他大学ではあまり開講されていない講義内容かもしれませんが,データに基づくモデリングは,機械学習を持ち出すまでもなく,重要な方法です。物情から東大物理工学科に異動されたSさんが,以前,「足立さんのシステム同定の本を研究室で読みましたよ。これ物理ですよね。物情のカリキュラムはよくできていますね」とコメントしてくれ,うれしく思いました。

今後も,この授業が時代とともにアップデートされて継続されることを望んでいます。 22年にわたって講義してきた「モデリングと制御」を,この授業の最後の受講生に慶大で講義できること,幸せであり,楽しみです。