理系文系に関わらず研究者は通常何らかの「学会」に所属しています。
学会とは,同じ分野を研究する仲間が集まり,切磋琢磨する場です。研究分野によってはたくさんの学会に所属する場合もあり,私も多いときには10個ちかい学会に所属していたこともあります。定年後のいまでも,私は4つの学会に所属しています。
その中で主な活動の場とするメインの学会があり,私の場合にはそれは「計測自動制御学会」です。英文略記では SICE(サイスと発音します)です。
SICE で長い間事務を務められ,この12月に定年退職される方がいたので,淡路町の学会事務局を久しぶりに訪れ,お会いしてきました。彼女とは約30年のお付き合いです。定年後の健やかなご生活をお祈りいたします。
私が35歳のときに執筆した「ユーザのためのシステム同定理論」が,学会事務局に3冊おいてありました。たしか最初に1500部を刷って,すぐに絶版になったので,いまこの本を手に入れることはかなり難しいレア本です。amazon でも取引されていません。この本が,SICE 創立30周年記念著述賞1等を受賞したことにより,私はなんとか制御の世界で生きていけるかなと思った,記念となる書籍です。
SICE に限らず,ほとんどの学会は会員減と魅力の低下に苦しんでいます。学会に入るとこんなに楽しいことがあるんだよ,と若者に提示できる学会であってほしいと願います。