秋学期最初の足立研セミナーを開催しました。講師は足立研レギュラーメンバーの宇都宮大学の東 剛人准教授にお願いしました。
講演題目は 「Smart Grid 研究におけるシステムと制御 ~負荷周波数制御システムについて~」でした。現在最もホットな話題について,システム制御の視点から解説していただきました。
「スマートグリッド」とカタカナで書かれると何の意味かよくわかりません。特に,海外から入っていきた新しい概念を国内で流行らせようとするときには,わざとカタカナを用いることが多いようです。そのほうがなんとなくカッコよく聞こえますし,新しい概念の内容が固まっていない時期にはいろいろな意味で受け取られるほうが都合がよいからだと思います。個人的には,カタカナで呼ばれている間は,まだまだ成熟していない状態で,それが日本語の用語になったときにはじめて定着すると思っているのですが,カタカナのままで,あるいは英語表記のままで終わってしまうことが多いようです。「マニフェスト」がその典型的な例です。
さて,スマートグリッドですが,私は「賢い電力網」という意味かなと思っていたのですが,東先生の定義は,「コンピュータを用いた電力ネットワーク」,あるいは,「コンピュータを用いて制御可能な電力ネットワーク」でした。非常に明快な定義で,これによって電力ネットワークと制御がしっかりと結びつきました。
東先生,ご講演,ありがとうございました。セミナーには物理情報工学科の3年生も2名参加してくれました。
つぎの足立研セミナーは11月11日(金)5限に開催します。講師は大阪大学の石川准教授です。非線形制御という理論的には難しい内容についてお話していただきますが,石川先生はロボットなどのたくさんの実例をお持ちなので,興味深い講演になると思います。研究室配属が迫ってきた3年生の足立研セミナーへの参加,お待ちしています。