植村八潮教授(専修大)の最終講義「個人史的電子出版論」を九段下の専修大学神田キャンパスで聴講しました。

植村さんが東京電機大学出版局在職中に,私の2冊目の本『MATLAB による制御のためのシステム同定』(1996)を皮切りとして何冊もの本を担当してくださいました。この本は制御の世界での MATLAB 本第一号だったと思います。いまでこそ当たり前ですが,私が LaTeX で原稿を作成して,それをベースに出版するというスタイルを1990年代半ばに植村さんと一緒に確立しました。このように,植村さんとは30年以上のお付き合いです。

2012年に専修大に教授として異動され,そして70歳で定年。植村さん活力に満ちていて,お若いです!

1時間半にわたる最終講義では,示唆に富むお話しがたくさんあったので,忘れないようにメモしておきます。

・ いつも植村さんとお話ししている『モノと違って,知識は分けるとどんどん増えていく』こと,私はこれを『知識は質量保存の法則に従わない』と表現しています。

・ 身銭を切って高価な私の本を購入してくれた読者に感謝しなければいけないこと(著者から読者への知の循環)

・ 『未来を予測する最良の方法は未来を作り出すことだ』は,Alan Kay (1971) の “The best way to predict the future is to invent it.” の有名な言葉としてよく知られていますが,その元ネタは,アメリカ大統領だったリンカーンの “The best way to predict your future is to create it.” だということ。

・ 卒業式を意味する “commencement” は,「何かの始まり」を意味すること。

定年後も,さまざまな分野で植村さんはご活躍されるでしょう。