慶大理工学部には自慢できることがたくさんありますが,学部3年生対象の学生実験の指導体制もその一つです。
 国立大学では教授が学生実験を直接指導することはめったにありませんが,物理情報工学科ではほとんどの教授が,准教授や専任講師と同様に年に1つの実験テーマを担当しています。私は秋学期に回転型倒立振子の制御実験を担当しています。毎週入れ替わりで6名の学生がこの実験を行いますが,実験装置が3台あるので,二人一組で実験を行うことになります。
 春学期の制御工学は必修科目だったので120名もの学生を相手に講義していましたが,学生実験では6名相手に少人数教育を行うことができます。国立大学から異動した私にとって,当初,教授まで実験指導を行うこのシステムに驚きました。

 倒立振子の隣の実験机では,2700億円の研究費を30人の研究者に配分する「最先端研究開発支援プログラム」の一人に選ばれた著名な研究者が,私と同じように毎週,光ファイバの学生実験の指導を楽しそうにしています。おそらく国立大学では考えられない光景でしょう。受講する学生たちが技術者としてこの幸せを実感できるのは,卒業してから何年たってからでしょうか。


【今週の学生実験班はノリのよいグループで,デジカメを持参していて,実験の様子を撮影していました。そして,最後に記念写真】