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電気自動車を EV と呼ぶことがあるが,Vehicle は移動するものの全体を示す言葉だから,本当は electric motor car と言うべきか? 因みに Wikipedia で Electric Vehicle を見ると,陸海空の移動体; electric spacecraft から electric tank,electric submarine までを含む幅広い概念であることが分かる。
移動するための技術には,3K = 小型・軽量・堅牢 の共通点がある。電気自動車の高性能バッテリや,駆動モータを自在に動かすパワーエレクトロニクス技術は,自動車だけではなく電動 Vehicle 全体に大きなインパクトを与える。たとえば,ボーイング社では,FCV に使われる燃料電池を使って,電動プロペラ機を試験飛行させている。イスラエル軍では,将来の電気自動車用として期待されている空気電池を使った無人偵察機を配備している。鳥瞰図 bird’s eye view で見れば電気自動車は,エコカー競争という局地戦ではなく,未来社会への大きな地殻変動 upheaval の渦中にいる。
高性能電池を使えば,電車やトロリーバスで保守が厄介で景観も損ねる架線を撤去できると期待される。海面の波の動きを利用して発電・充電して巡航する,電気推進船の開発も進められている。
第二次大戦下ドイツで、重装甲戦車マムート(マンモス)…秘匿のためモイゼ(マウス)と呼ばれた…開発計画が、ヒトラーの命令でスタートした。ポルシェは 1080 馬力のエンジンで発電機を回し、電動モータで駆動した。現代の大型ダンプトラック haul truck や,ショベルカー earth-mover などの大型建機の駆動系は,モイゼと同様,シリーズ・ハイブリッド方式を採用して機動性を高めている。
日立建機のテレビ CM アリエナイでは,建機が自在に動く画像が流れ話題になっている。知能ロボット化は業界のトレンドである。クルマの自動運転時代に先駆けて、建設機械の現場では 電動車両の無人化 = ロボット化 もすでに始まっている。コマツの最大積載量327トンの超大型ダンプ「960E」は、高精度 GPS やミリ波レーダー,光ファイバージャイロなどを登載し,遠隔操作せずに、積荷の積み降ろしや輸送といった定型業務を無人でこなすことができる。
電気は熱力学的には自由エネルギー Gibbs free energy であるが,自在に使えるので発想の自由エネルギーになる。自動車だけでなく Vehicle のすべてが電動化・知能ロボット化され社会が変わる,それを日本がリードする・・・今年の初夢はやはりヘビー級である。