1999年から2002年まで宇都宮大学のパワエレの研究室のポスドクをしていた Dr Forrai が慶大足立研を訪ねてくれました。
Forrai さんは現在,オランダで仕事をされています。
15年以上ぶりに Forrai さんと会って,たくさんお話しでき,とても楽しい時を過ごすことができました。
Forrai さんはパワエレの神山研究室に所属していましたが,数学が強く,制御にも関連した研究をしていたので,足立研のゼミにも参加してくれました。
特に,私の中では伝説になっている「システム同定早朝ゼミ」の強力なメンバーでした。このゼミは,Lennart Ljung の有名な著書 ”System Identification –Theory for the Users–” の演習問題だけを解くというものでした。洋書ですから,もちろん演習問題の解答などついていないので,独力で解くしかないのです。
ケンブリッジ大学の Keith Glover 教授が,彼の授業でロバスト制御の有名な教科書の演習問題だけを解説する,ということを聞いたので,このシステム同定早朝ゼミを思いつきました。
足立研学生だけでなく,当時,宇都宮大学足立研と共同研究を行っていた宇都宮近隣の企業の技術者も何人か参加してくれました。
隔週の火曜日,朝8時から10時までという超ハードなゼミを2000年から約1年半続けました。いまから思うと,当時の学生たちには苦痛だったかもしれませんが,みなよくついてきてくれました。欠席,遅刻をする人はほとんどいませんでした。いまさらながら宇都宮大学足立研究室の学生はいろいろな面で優秀だったと思います。
もちろん一番勉強になったのは私でした。システム同定に対する理解が深まり,その成果をケンブリッジで「制御のための上級システム同定」(絶版)という著書にまとめました。
2018年4月~12月に,慶大足立研で「機械学習輪講」を毎週火曜の朝9時から行いました。今回も,一番勉強になったのは私自身でした。