私が東芝に入社し,川崎の浮島にあった総合研究所 エネルギー機器研究所 計測制御グループに配属されたのは1986年5月でした。
1980年代の半ば,世の中はバブルに向かって突き進んでいました。当時,日立,東芝,三菱などの電機メーカーは中央研究所,総合研究所の時代で,優秀な人たちが研究所に集まっていました。そんな中で,東芝総研の計測制御グループは,おそらく日本の企業の中でトップの実力をもっていたと思います。有名大学の制御グループと比較しても,遜色ないメンバーを揃えていました。
1986年6月に東芝は,ETS-VI(技術試験衛星VI型,打ち上げ後は「きく6号」)の技術開発を三菱電機などと受注し,私は入社直後からこの大型人工衛星の軌道上同定・制御実験に関わりました。これが私と宇宙との出会いです。私が東芝に所属していたのは4年余りでしたが,宇宙分野の研究を中心としてさまざまな貴重な経験をさせていただき,その経験はその後の大学での研究に大いに役立ちました。さらに,宇宙分野の友達がたくさんでき,その交流は現在まで続いています。
入社から40年後の6月,当時の計測制御グループの上長(主任研究員)である重政さんを囲んで川崎でシンポジウムを開きました。重政さんは現在も大学で客員研究員として活動されています。さすがです。
このシンポジウムでは,最初につぎの2件のトークがありました。
- 大須賀公一(大工大):午前4時の戦い! ~不適切にもほどがある~
- 足立修一(慶大/東大):古くて新しい状態空間表現 ~科学哲学のすゝめ~
その後,全員で近況報告をして,懇親会になりました。
飲んで,食べて,ディスカッションする,すなわちシンポジウム(饗宴)はとても楽しく,とても有意義でした。単なる飲み会ではなく,議論できる場にしたい,という重政さんのご意向を,清水幹事がきちんと実現してくれました。
あっという間の3時間,その間に同じ川崎の地で40年の時空を飛び越えていました。







